中日新聞 昭和54年(1979年)117日 夕刊 

既成同盟会が総会 中央新幹線建設 

 中央新幹線建設促進既成同盟会の設立総会が7日、東京千代田区紀尾井町の赤坂プリンスホテルで開かれ、会長に仲谷愛知県知事を選んだあと、中央新幹線の早期着工を目的にする同盟会の規約、54年度の事業計画などを決め、会後着工を目指して強力な運動を展開することを、全会一致で決議した。

 同新幹線は東京を起点に甲府、名古屋、奈良各市を経由、大阪まで約500キロの区間をリニアモーターカー(磁気浮上式鉄道)で走らせる計画。リニアモーターカーは、時速400キロといわれ、計画によると東京方大阪まで2時間で結ばれる。

 すでに「輸送力の限界が見えている東海道新幹線のバイパスとしてクローズアップされ、建設基本計画が48年11月に決まって以来、着工が待たれている。

 同会は東京、山梨、岐阜、愛知、三重、奈良、大阪の8都府県()の政財界でつくっている既成同盟会と、趣旨に賛同する人たちで構成されている。

 仲谷会長は「日本の心臓部を結び、地域の振興をはかる鉄道として、必要性は十分あると思う。それに力を貸すのも政治の姿勢」とあいさつ。高橋常務理事は、「リニアモーターカーは年内に500キロのスピードを実現し、あと1、2年で実用化のメドをつけたい。これを中央新幹線にあてはめることは一番現実的で、効果もある秘かに思っている」と述べ、会場の拍手を浴びた。

ホームページ管理人の補足】
下の朝日新聞記事と読み比べると、おそらく長野が抜けている。




朝日新聞 昭和54年(1979年)11月8日 朝刊

リニアモーターカー方式を 中央新幹線 建設既成同盟会が決議 

 中央新幹線建設促進期成同盟会の設立総会が7日午前、東京・赤坂のプリンスホテルで開かれ、仲谷義明愛知県知事が会長に選ばれるとともに、中央新幹線をリニアモーターカー方式(磁気浮上式鉄道)で早期実現するための強力な運動を展開していくことを決議した。

 中央新幹線は東京を起点に甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近から大阪に至る延長約480キロをリニアモーターカーによって約2時間40分()で結ぼうというもの。老朽化し、輸送力が限界に近付いている東海道新幹線の代替として、その輸送力を補充するとともに、東海地震など災害発生時のバイパス機能の発揮、沿線地方都市の開発促進などをねらいにしている。

 すでに48年11月、基本計画が決定され、甲府−名古屋間山岳トンネル部の調査が進められている。しかし、走行形式や費用の概算額、建設主体などを明らかにする整備計画路線には加えられていない。

 このため49年、長野県飯田地区で中央新幹線 建設促進 飯伊 既成同盟会が設立されて以来、岐阜、三重、愛知、奈良の各県に期成同盟ができ、整備計画路線への格上げをめざして陳情などを繰り返してきた。

 この日の期成同盟設立は、県単位の期成同盟会がある5県をはじめ東京、山梨、大阪の沿線8都府県が大団結、さらに活発な運動を展開しようというもの。会長に仲谷愛知県知事が互選され、規約、54年度事業計画などを決めた。来賓として出席した高橋浩二国鉄常務理事は「国鉄としても(中央新幹線を)重要な路線と考えている。リニアモーターカーも実用化するとすれば、中央新幹線が最も効果的だろう」と述べた。

中央新幹線建設促進既成同盟会会長になった仲谷愛知県知事の話  
 東京、大阪との連携を強め、老朽化した東海道新幹線を補充するものとしては整備新幹線より高い(建設の)可能性を持っている。リニアモーターカーは21世紀の新交通手段として需要は多いだろうし、中央新幹線は最も投資効率の高い路線だ。一致して建設実現のため努力していきたい。

ホームページ管理人の補足】
 上記の中日新聞記事と比較すると、おそらく総会当時は400キロ走行を前提としていたと思われる。


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