読売新聞 昭和52年(1977年)4月16日 夕刊

リニアモーターカー時速500キロに挑戦 ―国鉄センター店開き― 

 21世紀の鉄道といわれ、国鉄が今夏から走行実験に入る夢の超特急「リニアモーターカー」(浮上式鉄道)が宮崎県日南市美々津に完成、16日午前10時から国鉄本社の滝山養技師長、黒木博同県知事ら関係者約500人が出席して開所式をし、陸上の交通機関では世界で初めて時速500キロの超高速に挑戦する実験車が初公開された。実用化に向けての走行実験は7月末から開始、年次走行スピードを上げ、54年度には東京−大阪を一時間で結ぶ、悲願の500キロの壁に挑む。国鉄の技術陣が総力をあげて取り組むリニアモーターカーは、国内だけでなく世界の注目を集めることになる。

 この日姿を現した実験車は、鉄道技術研究所で時速60キロを出した{ML100」を改造した{ML500」(マグネティック・レビステーション)=磁気浮上の略=。日立、東芝、三菱電機三社の共同開発で今月3日実験センターに搬入された。長さ13メートル、幅3.8メートル、高さ2.7メートル、重さ10トン、全体では実用化した場合の六分の一、長さで二分の一の大きさ。

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