朝日新聞 昭和49年(1974年)3月28日

 中央新幹線早める 運輸省方針 55−56年の開通目標 

 運輸省は27日、昭和60年度開業をメドにしていた中央新幹線(東京−甲府−名古屋−奈良付近−大阪)を、東海道新幹線のバイパスとして、早ければ55、6年ごろに開通させる方針を固めた。これは@現在の新幹線の輸送力が限界に来ているA名古屋などの沿線に、深刻な公害問題が起きているB大阪空港の公害対策として厳しい使用制限が必要なので、代替輸送としての新幹線の輸送力を大幅に増強しなければならない、などの理由によるという。昨年末に決まった政府の総需要抑制方針で、他の新幹線計画がすべて遅れる見通しの中で、中央新幹線の建設だけが、逆にスピードアップされることになる。

 現在のところ、起点の新宿や名古屋などは地下にする方針。工期は5,6年程度かかるので早ければ50年ごろに着工したい方針である。

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