リニア計画と南アルプスに関わる主なできごとB 

2007年JR東海による中央新幹線構想の公表
〜2011年5月27日国土交通大臣による建設指示
 

背景色について

白色はJR東海の動き。
桃色は沿線自治体による事業推進に向けた働きかけ。
茶色は政府・与党による事業推進に向けた働きかけ
灰色は経済団体、沿線住民等による事業推進に向けた働きかけ 
黄色は計画見直しを求める声。 
緑色は南アルプスの環境保全に関わる動き。 
水色は環境影響評価や環境保全に関わる動き。 



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2007(平成19)年  1月   山梨リニア実験線の延伸工事開始(のちに周辺で水枯れや騒音の苦情が続発)。
  2月28日  南アルプス周辺の3県10市町村が、南アルプス市において「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」設立総会を開催。  
  4月26日   JR東海は取締役会でリニア中央新幹線構想を発表。2025年度に東京−名古屋間を先行開業する計画。なお前年度の収益はJR東海発足後最高を記録。 日本経済新聞
中日新聞
朝日新聞
  
  11月   環境省は第3次生物多様性国家戦略において、国立・国定公園の総点検をおこなうとし、作業が開始される。生物多様性の保全上重要な地域と保護地域とのギャップの分析が中心。   
  12月25日   JR東海は取締役会において中央新幹線(首都圏−中京圏)の整備事業費5兆1000億円全額を自社負担すると公表 中日新聞   
2008(平成20)年  2月19日   南アルプスの西側にあたる長野県大鹿村においてボーリング調査が開始される。同地を選んだ理由として「水平ボーリングを行いやすいこと」を理由にしたとされている。なお騒音で住民が転居する事態が発生。   
  2月28日   南アルプスの東側にあたる山梨県早川町においてボーリング調査が開始される。詳細は不明。  
  4月15日   民主党議員による民主党リニア中央新幹線推進議員連盟が発足。幹事長は鳩山由紀夫氏。  
  10月22日   JR東海および鉄建機構が政府に地形・地質調査報告書を提出。  
  11月30日   神奈川県相模原市にて三菱UFJリサーチ&コンサルタント 加藤義人氏および法政大学教授 黒川和美氏による講演会「「リニア中央新幹線と地域の活性化」が開かれる。リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会の主催。   
  12月24日   国土交通大臣からJR東海に対し、全国新幹線鉄道整備法に基づく残り4項目(需要・輸送力、技術、建設能力、その他)の調査を指示。  
2009(平成21)年  1月   「山梨実験線の建設計画」の変更について国土交通大臣の承認。  
  3月8日   リニア計画を問い直す市民団体「リニア・市民ネット」が結成される。  
  3月21日   長野県飯田市にてリニアを見据えた街づくりを話し合う「夢のリニア中央新幹線セミナーin南信州」が開かれる。リニア飯田駅設置推進協議会(飯田下伊那地方の民間80団体で構成)と南信州新聞社が主催。  
  5月9日   南アルプス世界自然遺産登録推進協議会の内部にユネスコ生物圏保存地域の研究部会を設けることを決定。  
  4月28日   山梨県庁内にリニア建設推進本部が設置される。  
  5月22日   有識者から意見を聞く、山梨県リニア活用推進懇話会が設置される(第1回目:甲府市、第2回:11/16、第3回:翌年3/3)。  
  6月8日   東京都千代田区にて「平成21年度リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会総会」が開催される。リニア中央新幹線建設促進国会議員連盟、リニア中央新幹線建設促進議員連盟、民主党リニア中央新幹線推進議員連盟、国土交通省、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東海旅客鉄道(株)、(財)鉄道総合技術研究所、リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会が参加。  
  7月21日   JR東海および鉄建機構は中央新幹線のルート別維持運営費、設備更新費、輸送需要量についての予測を公表。
  7月23日   超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会が「営業線に必要となる技術が網羅的、体系的に整備されたと判断できる」と評価。  
  8月1日   リニア・市民ネットのメンバーが長野県大鹿村の視察を行う。  
  10月13日   JR東海および鉄建機構は東京−大阪間の各種調査結果について公表。
  12月20日   神奈川県相模原市にて一橋大学教授 山内弘隆氏による講演会「リニア中央新幹線と未来創造」が開催される。リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会の主催。  
  12月24日  JR東海および鉄建機構は国交省に東京-大阪間についての最終調査報告書を提出。
2010(平成22)年  1月8日   JR東海の葛西会長(当時)は、名古屋市内で開かれた地元財界の賀詞交歓会で、報道陣に「リニアの部分開業は既定路線。可能な区間から開業する。神奈川―山梨が適当だろう」と発言。ただし中央新幹線小委員会での審議過程において、この考えは否定される。 日本経済新聞
朝日新聞
 
2月24日  前原国土交通大臣から交通政策審議会へ諮問。鉄道部会中央新幹線小委員会が発足し、国交省官僚、有識者、JR東海による審議が開始。委員長は東京大学大学院教授の家田仁氏。  
  3月3日  第1回中央新幹線小委員会開催。こののち、4/15、5/10、6/4、7/2、7/30、8/30、9/29、10/20、10/29、11/11、11/24、12/8、12/15、翌2011年2/1、2/28、4/8、4/14、4/21、5/12と計20回開催。
  4月28日   JR東海は、東京〜名古屋間の開業予定を2025年年度から2027年度へ延期すると発表。 朝日新聞
中日新聞
   
  5月10日   第3回中央新幹線小委員会での資料として、JR東海が「超電導リニアによる中央新幹線の実現について」を提出。現在、リニア計画における需要予測や事業見通しの基本的な資料はこれである。
  5月24日   山梨県甲府市にて講演会『リニア新駅と地域づくり』が開かれる。講師は藻谷浩介氏(日本政策投資銀行地域振興グループ参事役)。  
  6月13日   山梨県甲府市にて「平成22年度第1回山梨県リニア活用推進懇話会」が開かれる。  
  7月2日   第5回中央新幹線小委員会。沿線各都県の意思が表明される、静岡県からは「中央新幹線開業の暁には静岡空港直下に東海道新幹線の新駅を造ってほしい」という要望が出される。静岡県にかかる負の影響については全く言及なし。
  7月30日   第6回中央新幹線小委員会。同時に、中央新幹線小委員会の審議状況についての第1回パブリックコメントが行われる。  
  9月26日   山梨県甲府市にてシンポジウム「リニアは必要か?」(主催:リニア・市民ネット)が開かれる。  
  9月29日   第8回中央新幹線小委員会において、第1回パブリックコメントの結果が公表される。中央新幹線の早期整備を望む声が多数にのぼる。  
  10月4日   環境省は国立・国定公園総点検事業の結果、南アルプス国立公園の周辺地域には生物多様性の保全上、重要な要素がみられるとし、南アルプス国立公園の区域拡張をおこなう方針を明らかにする。ギャップ分析結果はCOP10で報告される。
  10月20日   第9回中央新幹線小委員会が開かれ、費用対効果の試算結果に基づき、南アルプスルートの優位性が示される。これを受けて南アルプスルートで事実上決定したとする報道がなされた。  日本経済新聞
読売新聞
 

中日新聞  

国土交通省  
  10月25日   神奈川県海老名市において講演会「高速鉄道と都市鉄道による地域の将来像」が開催される。主催・神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会。共催・リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会、相模線複線化等促進期成同盟会。  
  11月   長野県の南信州広域連合が「リニア将来ビジョン」を策定。  
   山梨県から委託を受けた三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)による「リニア駅周辺まちづくり調査報告書」が出される。  
  11月7日   長野県飯田市において、市民によるリニア学習会が開催される。  
  11月11日    神奈川県平塚市にて講演会「鉄道整備とまちづくりによる地域の発展」が開催される。 リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会の主催。  
  11月24日   「平成22年度第2回山梨県リニア活用推進懇話会」が開かれ、長野新幹線佐久平駅の建設された長野県佐久市を視察する。  
  12月15日   中央新幹線小委員会が中間取りまとめ案を公表。環境面への影響は審査対象とせずに、超電導リニア方式・南アルプスルートが妥当とする内容。JR東海の計画をそのまま認めるとともに早期着工を促す。第2回パブリックコメントの受付開始。  
2011(平成23)年  1月1日   建設業界紙「建設通信新聞」にて東京大学大学院教授家田仁氏が、リニア中央新幹線の整備を強く訴える。同氏は中央新幹線小委員会の委員長を務めており、同委員会はリニア計画の是非を問う審議の真っ最中である。  
  1月14日   第2回パブリックコメント受け付け終了。この時点では批判意見は四分の一ほど。日本自然保護協会が中間とりまとめ(案)に意見を提出し、貴重な自然環境を有する南アルプスにトンネルを掘るべきではないと強調。  
  1月27日   参議院議員会館において、市民らによる「リニア中央新幹線を考える集い」が開催される。  
  2月6日    岐阜県中津川市にてリニア計画を問うシンポジウム「リニア中央新幹線を考える学習会」(主催:東濃・リニアを考える会)が開かれる。  
  2月27日  長野県飯田市にてリニア計画を問うシンポジウム「リニアが及ぼす自然環境への影響を考えよう」(主催:飯田・リニアを考える会)が開かれる。  
  3月   財団法人名古屋都市センターが、報告書「リニア中央新幹線とナゴヤの未来」を作成。  
  3月11日   東日本大震災、福島第一原発事故の発生。中央新幹線小委員会は一時中断。  
  3月27日   名古屋市において、市民らによる「リニア中央新幹線を考えるシンポジウム」が開かれる。  
  4月8日   中央新幹線小委員会を再開(第17回)。この回の議事録や配布資料等は明らかにされておらず、議事内容は不明。  
  4月14日   第18回中央新幹線小委員会。東日本大震災後による東北新幹線への影響が議題となったが、致命的なダメージを受けなかったことを確認して終了、地震や原発事故によるエネルギー消費の在り方については全く議論の俎上にあがらず。 
  4月24日   第19回中央新幹線小委員会。答申案の公表と第3回パブリックコメントの受付開始。  
  4月27日   配慮書の作成を義務付けた改正環境影響評価法の公布。同法の施行は翌年4月1日からであるが、中央新幹線小委員会は、中央新幹線整備事業についてJR東海の”自主配慮”というかたちで作成させることを表明。  
  4月28日   日本自然保護協会が答申(案)に意見を提出。  
  5月5日   第3回パブリックコメント受付終了。  
  5月6日   管総理大臣が浜岡原発の運転停止を要求。  
  5月12日   中央新幹線小委員会はJR東海による計画を認可する答申を大畠国土交通大臣に提出。パブリックコメントの結果は7割が計画の見直しを求めるものであったが無視  
  5月14日  管総理大臣の要請を受けて浜岡原発の運転停止。これが中央新幹線計画に与える影響について家田仁委員長は「停止期間は2年程度であるためリニア計画には影響しない」という見解を表明(信濃毎日新聞)。  
  5月20日   大畠国土交通大臣はJR東海を中央新幹線(東京−名古屋市間)の営業・建設主体に指名  
  5月26日   全国新幹線鉄道整備法に基づき、中央新幹線の整備計画が確定。  
  5月27日   同法に基づき、大畠国土交通大臣はJR東海に中央新幹線(東京−名古屋市間)の建設を指示  


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