リニア計画と南アルプスに関する主なできごとI
2019(平成31/令和元)年度
4月1日 | 静岡新聞社が同年3月中に実施した調査で、山梨県の早川(富士川支流)の複数地点で水の濁りが確認されたと報じられる。これまで着目されていた早川支流雨畑川の雨畑ダムとは別に、リニア建設工事現場となっている早川上流部で濁りが発生していることになる(因果関係は不明)。 | 静岡新聞1 静岡新聞2 |
同日 | 川勝平太静岡県知事は県水産企業局に対し、早川の濁りについて調査の実施を指示。 | |
4月2日 | リニア新幹線計画に反対している市民団体「リニア・市民ネット山梨」が、山梨県知事に対し早川の水質についての質問書を提出。 | 4/3静岡新聞 |
同日 | 長崎幸太郎山梨県知事は定例記者会見で、川勝平太静岡県知事の求めについて連携して対応する考えを示した。 | 4/3静岡新聞 |
4月8日 | 鉄道・運輸機構が担当している、岐阜県中津川市山口地内の中央アルプストンネル山口工区非常口(斜坑)工事現場にて地上部の崩落が発生。人的被害、周辺民家等への被害は確認されていない。工事を請け負ったのは鹿島・日本国土開発・吉川特定建設工事共同企業体。 | 鉄道・運輸機構 岐阜新聞 信濃毎日新聞 |
4月9日 | 静岡県庁で中央新幹線環境保全連絡会議が開かれる。JR東海は、工事によって沢の水が枯れると予想された場合に、河川に生息・生育する動植物を移植することを提案。具体的な方法等は不明。 | 中日新聞 日本経済新聞 SBSテレビ |
4月15日 | 静岡県庁で中央新幹線環境保全連絡会議の地質構造・水資源専門部会が開かれる。想定以上の出水が生じた際に、排水処理機能が対応できなくなる可能性が指摘される。また、将来南アルプストンネルの使用が中止された場合の方針をめぐり、JR東海から十分な説明が求められなかったとして苦言が呈される。 | 4/15静岡新聞 4/16静岡新聞 |
4月16日 | 第8回静岡市中央新幹線建設事業影響評価協議会が開かれる。JR東海がトンネル本体工事に先立って実施する林道東俣線の改良工事について、安全面や環境面で確実な対策を求めた。 | |
4月22日 | 静岡県の難波喬司副知事は、JR東海の協力を前提に、南アルプスユネスコエコパークの環境保全基金の設立に前向きであるとの考えを示した。 | |
4月25日 | JR東海の金子慎社長は定例記者会見で、将来的に中央新幹線が廃止されたり同社が存続できなくなったりした場合における大井川の流量維持について、同社が責任を持って対処するとの姿勢を示した。 | |
4月26日 | 静岡県庁で中央新幹線環境保全連絡会議の地質構造・水資源専門部会が開かれる。JR東海は、南アルプストンネル工事に伴い大井川の下流域で地下水などに影響が出た場合の対応について、補償に必要な因果関係の立証を住民側に求める方針を示した。 | 4/27静岡新聞 |
5月8日 | リニア沿線となる南アルプス市の住民8名が、環境保全や補償が不十分だとしてJR東海に対し、南アルプス市内4q区間の工事の差止めと慰謝料を求めて提訴。8名は前年4月、同市の住民グループ約250人と共に、移転した場合の補償などをJR東海に求め甲府簡易裁判所に民事調停を申し立てていたが、調停が不調に終わったため民事訴訟に踏み切ることにしたと説明している。 | |
5月10日 | 静岡県は大井川の流量減少問題について、JR東海による説明内容や県中央新幹線環境保全連絡会議における議論を、大井川の水を利用する8市1町と利水者に説明した。 | |
5月17日 | 静岡県の川勝知事は定例記者会見で、南アルプストンネル建設の準備工事について、県自然環境保全条例に基づき、本体工事とは別の環境保全協定が必要であるとの認識を示した。 | 静岡県庁 |
同日 | JR東海の金子慎社長は会見で、 大井川の下流域で地下水などに影響が出た場合の対応について、補償に必要な因果関係の立証を住民側に求めるとした4月26日の同社の見解について、「実情を踏まえ対応する」と述べた。 | |
5月20日 | 静岡市の事業影響評価協議会は、JR東海による林道東俣線改良工事について、同社の環境保全方針を了承。同社は同年夏以降に工事に着手する意向だという。 | |
5月27日 | JR東海が計画していた追加準備工事について、 県が受け入れる方向で調整していると報じられる。しかし大井川流域市町からは、準備工事がなし崩し的に本体工事につながるとの強い懸念が寄せられる。 | 静岡新聞1 静岡新聞2 |
5月30日 | JR東海の金子慎社長は会見で、南アルプス静岡工区が未着工であることから開業時期が遅れる恐れがあると表明。 | 朝日新聞 |
5月31日 | 大井川利水関係協議会が県庁で開かれる。JR東海が計画している追加の準備工事がなし崩し的に本体工事につながるとの強い懸念が寄せられ、難波喬司副知事は結論を先送りするとの考えを表明。認否は6月13日に予定される現地視察意向となる見込み。 | 静岡新聞 |
6月5日 | 静岡市で、中部地方9県の知事が集う中部圏知事会議が開かれる。会議の中で、愛知・三重県知事が国に対する要望の中に「リニア中央新幹線の1日も早い全線開通に向け必要な支援や措置を講じること」という文言を盛り込もうと提案したことに静岡県の川勝知事が反発。静岡県にはリニアのメリットはないと主張。いっぽう愛知県の大村県知事は「開業が遅れることは受け入れがたい」との見解を示す。 また、川勝知事は「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」への静岡県の加盟を申請。 |
静岡新聞 読売新聞 中日新聞 日本経済新聞 |
6月6日 | 静岡県からJR東海に対し、大井川の流量保全についての中間意見書が提出される。 【意見書の要点】(静岡新聞および中日新聞より) ・県および流域の利水者の理解を得て協定を締結する。 ・「湧水量の上限値毎秒3トンの根拠や妥当性を分かりやすく説明する。 ・河川の水量、水温、水質、掘削発生土のデータを上中下流域ごとに整理し、年間変化を見える化する。 ・生息密度調査などを通じ生態系の保全に必要な対策を講じる。 ・中下流域の地下水への影響を調査し中立的な第三者の評価を受ける。 ・独自の水質管理基準を策定して水質管理を行う。 ・施工計画書、発生土置き場の管理計画書、環境保全計画をを作成し県民が理解できるよう説明する |
意見書 (PDFファイル) |
同日 | 都内でリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会が開かれる。静岡県の参加申請についての結論は先送りされる。 | 中日新聞 |
6月10日 | 川勝知事の定例記者会見。5/30のJR東海社長の会見内容をを強く批判。 | 静岡新聞 静岡県庁 |
6月12日 | JR東海の金子慎社長は会見で、静岡県にはリニア開通に伴う大きなメリットがあると強調。また、リニア事業は国策に近いとの見解を述べた。 | 静岡新聞 中京テレビ |
6月13日 | 静岡県の川勝知事は、同県南アルプス地区の椹島地区で進められている宿舎建設地などを視察。視察後の会見で、「とてもじゃないけどゴーサインを出せる状況ではない」と、早期の本体工事着工を認めない姿勢を見せた。同時にリニア建設にともなう地域への貢献を求めた。 | 産経新聞 読売新聞 静岡新聞 テレビ静岡 |
6月19日 | 静岡県議会6月定例会が開会。川勝知事は所信表明で、南アルプストンネルの着工は現段階では認められないと述べた。 | |
6月21日 | JR東海の定時株主総会が名古屋市内で開かれる。JR東海側は、静岡工区の着工遅れにより開業時期への遅れが懸念されると説明。株主からは早期着工を求める声や、説明責任を尽くすべきとする声、株価への影響などの質問が出たという。 | |
6月24日 | 静岡県の川勝知事は、JR東海は地域振興として南アルプスへの交通アクセス改善などに取り組むべきとの考えを明らかにする。 | |
6月27日 | JR東海の金子慎社長は会見で、川勝知事への会談を申し込んでいることを表明。これまで2度打診したが、県知事側は、6日に提出された意見書への回答が先決であるとしてこれを拒否したという。 | 朝日新聞 NHk静岡 産経新聞 |
7月1日 | JR東海と静岡市は、JR東海が林道東俣線の改良工事についての基本方針を定めた協定を結んだ。同林道は畑薙第一ダムからリニア中央新幹線静岡工区に通じる唯一の道路であり、未舗装で損傷が著しく、JR東海が80億円を負担して工事を行う。着工は9月をめどとする。川勝知事は評価。 | 静岡新聞 読売新聞 産経新聞 中日新聞 |
7月2日 | 三重県の鈴木英敬知事は「開業が遅れることは絶対にあってはならない」と静岡県の姿勢を批判。これについて11日、静岡県掛川市の松井市長は不愉快との思いを述べる。 | |
7月3日 | 静岡県の難波副知事は愛知県庁を訪問し、松井副知事に対してリニア中央新幹線静岡工区に関する協議状況を説明。 | |
7月9日 | 川勝知事は定例記者会見で、愛知県大村知事の発言を批判。 | |
7月12日 | 6月6日に静岡県からJR東海に提出された中間意見書に対する、JR東海側の「回答案」が県に提出された。 | 静岡県庁 |
7月17日 | 難波副知事は岐阜県庁と三重県庁を訪問し、静岡県の状況を説明。 | 中日新聞 |
同日 | 7月12日にJR東海から提出された「回答案」について、川勝知事はほぼゼロ回答であるとして批判。 | 静岡新聞 |
7月18日 | 難波副知事は山梨県庁を訪問し、静岡県の状況を説明。山梨県の長崎知事は「理解できる」との見解を示した。 | |
7月24日 | JR東海の金子慎社長は、同社が静岡県に提出した「回答案」に対し川勝知事が批判したことについて、「いきなり否定はあり得ない」と批判。 | 静岡新聞 |
7月25日 | 山梨県は、リニアの走行に伴う騒音基準を住宅地域では70デシベル以下とすることなどを定めた規制案を公表。 | |
7月29日 | 静岡市による平成30年度南アルプス動植物環境調査の結果が公表される。これまで確認されていなかった植物が新たに見つかるなどしている。 | 静岡市役所 |
同日 | 愛知県の大村知事は、静岡県内でのリニア本体工事に着手できていない状況について、静岡県ならびに国土交通省の対応などを非難。 | 東海テレビ 中京テレビ 朝日新聞 |
7月30日 | 5月8日に南アルプス市の住民がJR東海を相手取りリニア中央新幹線の建設の差止めを求めた裁判が始まり、第一回口頭弁論が行なわれた(甲府地方裁判所)。JR東海は争う姿勢。 | |
8月9日 | 国土交通省、静岡県、JR東海の三者は、「リニア中央新幹線静岡工区の当面の進め方について」確認。 | 国土交通省 |
8月10日 | 発生土置き場候補地となっている南アルプスの燕沢で、専門家やNPOによる植生調査が開始された。 | 静岡新聞 |
8月15日 | 石井国土交通大臣は、20、21日に静岡県庁で開かれる協議の場に、国土交通省鉄道局の担当者を派遣することを明らかにする。 | 国土交通省 |
8月20日 | 静岡県庁にて、県中央新幹線環境保全連絡会議の専門部会が二日間にわたって開かれる。国土交通省鉄道局施設課から担当者が出席。20日は地質構造・水資源専門部会が開かれ大井川流域ながら山梨県側から掘り進める部分の湧水はトンネル貫通まで戻せないことが判明。議論の前提が覆されるとして強い批判が起こる。 | 静岡新聞(20日) 静岡新聞(21日) |
8月21日 | 県中央新幹線環境保全連絡会議の生物多様性専門部会が開かれる。 | 静岡新聞 産経新聞 |
8月23日 | 川勝平太知事は会見で、トンネル湧水を全量河川に戻すことはJR東海の責任であると改めて強調。 | 静岡新聞 定例記者会見 |
8月29日 | JR東海と、大井川流域の利水関係者との意見交換会が県庁で開かれた。JR東海側は、前年10月に同社が表明した湧水の全量回復を事実上撤回。 | |
9月5日 | 東海3県(岐阜、愛知、三重)と2政令市長(名古屋市、浜松市)の知事市長会議が浜松市内で開かれた。会議上、リニア中央新幹線開業後のスーパー・メガリージョン構想の実現に向けての協力を確認。 | |
同日 | 愛知県の大村知事を静岡県の川勝知事が訪問し、リニア中央新幹線静岡工区が未着工であることについて協議を行う。大村知事は早期着工を改めて要請したのに対し、川勝知事は環境保全上の懸念が解決されぬ限り着工は認められないとの立場を強調。国の関与を求める点では一致。 | 静岡新聞 産経新聞 |
9月6日 | 菅義偉官房長官は記者会見で、静岡工区が未着工である現状を打開すべく、政府として関与する意向を表明。 | 静岡新聞 産経新聞 中日新聞 |
同日 | 静岡県はJR東海に対し、『「中央新幹線建設工事における大井川水系の水資源の確保及び自然環境の保全等に関する中間意見書」に対する回答』を送付。 | 静岡県庁 |
9月9日 | JR東海は、6月6日に県から出された中間意見書に対する最終回答書を提出。着工前の協定締結についての明言が避けられるなどとして、県や関係市町からは厳しい反応。 | 静岡新聞 |
9月10日 | 前日にJR東海から提出された最終回答書について、川勝平太知事は記者会見で、「今できる最も丁寧な対応」であると一定の評価を示しながらも「懸念が払しょくされていないので合格点とは言えない」との認識を示す。改めて協議の必要性を強調。 | 中日新聞 |
9月11日 | JR東海の金子慎社長は定例記者会見で、大井川の流量保全についての基本協定について、着工前に締結する用意があるとの意向を示す。 ただし具体的な言及は避けている。 また、山梨県内の騒音規制について触れ、地上区間全てをフードで覆うことは不可能であるとの認識を示す。 |
静岡新聞 |
同日 | 川勝平太静岡県知事は、吉田町で開かれた知事広聴にて、「リニアには賛成、南アルプスは守らないといけない。両立するには遠回りする以外ないと思っている」と話す。翌12日には「もともとは長野県松本市を通るルートだった」などルートについて言及。 | |
9月12・13日 | 静岡県中央新幹線環境保全連絡会議が開かれ、JR東海の最終回答についての審議がなされた。 12日は水資源や地質構造が対象。委員からはデータや資料不足を指摘する声が相次ぎ、協議を継続することになった。なおJR東海からは、静岡県内に水を戻せない期間は最短で10ヶ月程度になるとの見込みが示される。 翌13日は主に生態系に関する協議がなされた。JR東海の認識不足を指摘する意見が相次ぐ。 JR東海からは宇野護副社長、国土交通省鉄道局からは江口秀二技術審議官が出席。 |
静岡新聞 産経新聞 中日新聞 日本経済新聞 (12日) 日本経済新聞 (13日) |
9月13日 | JR東海の宇野護副社長は、大井川中下流域へ工事による流量減少による影響は生じないとの見解を示す。また、流量が減った場合の補償は30年が限度であるとも説明。 | 静岡新聞 |
9月20日 | 県議会において11、12日の知事発言について質問がなされ、川勝平太静岡県知事は、リニアのルート変更を働きかける状況にはなっていないとの認識を示す。 | |
9月30日 | 静岡県はJR東海に対し、地質調査、水資源保全、生態系保全など47項目についての対応を要求。 「中央新幹線建設工事における大井川水系の水資源の確保及び自然環境の保全等に関する引き続き対話を要する事項」 |
静岡県庁 |
10月1日 | 静岡県議会危機管理くらし環境委員会において環境局長が、トンネル工事による大井川の流量減少が起きた場合、同川上流域の生態系に甚大な影響の起こるおそれがあるとの認識を示す。 | |
10月3日 | JR東海が山梨実験線において報道陣向け試乗会を開く。試乗会において同社は、2027年にリニアが品川−名古屋間で部分開業した際、東海道新幹線「ひかり」「こだま」の運転本数の増加は現時点で約束できないとの認識を示す。 | 静岡新聞 |
10月4日 | 静岡県庁において中央新幹線環境保全連絡会議が開かれる。JR東海は、現在計画している工法以外の工法は技術的に困難であると主張。トンネル湧水の県外流出は避けられないが河川流量は減らないと説明したことについて批判が相次ぐ。 | 静岡新聞 |
10月12日〜13日 | 台風19号による大雨で、静岡市側から南アルプスへ向かう唯一のアクセス道路である林道東俣線が大きな損傷を受け、全面通行止めとなる。復旧工事は静岡市が行うが、全面復旧までは1年程度かかると見込まれる。また、JR東海が発生土を置こうとしている燕沢平坦地は、流路が変わり南側半分が消滅。 さらに11月7日になってから、西俣非常口建設予定地付近にJR東海が設置した資材置き場が、地盤もろとも流失していたことが県の調査により判明(11/15静岡新聞報道)、 |
静岡市役所 静岡新聞 東海テレビ |
10月23日 | 大井川流域の商工会議所や商工会など15の経済団体が県庁を訪問。知事に対し、南アルプストンネル工事について水資源や自然環境の保全に向けて万全の対策を求める意見書を提出。 | |
10月24日 | 国土交通省の藤田耕三事務次官、水嶋智鉄道局長、江口秀二技術審議官らが静岡県庁を訪問。川勝県知事と会談。国交省が主導する形で県・JR東海とが協議する新たな枠組みを設けることで一致。詳細は国交省がJR東海と調整した後に3者の確認文書として発表するとされる。 | |
10月31日 | 国土交通省において、国土交通省の水嶋智鉄道局長、JR東海の宇野護副社長、静岡県の難波喬司副知事が階段。国交省が主催する形で、県とJR東海との三者が協議する会議体を設置することについて正式に一致。しかし協議の進め方等については未定。 川勝平太県知事は協議体の構成について不満を表明。国土交通省水管理・国土保全局、環境省、農林水産省からの出席と、協議の可視化を要望。 |
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11月6日 | 国土交通省の江口秀二技術審議官が大井川流域市町からの意見聴取を開始。6日は島田市、掛川市、藤枝市、焼津市を訪問。 | |
11月7日 | 静岡県の難波喬司副知事に脅迫状が届けられていたことが報じられる。リニア計画についての静岡県側の姿勢を批判する内容が含まれていたという。 | |
11月8日 | 赤羽一嘉国土交通大臣は閣議後会見で、同省・県・JR東海による協議体の構成メンバーについて、川勝県知事の求めていた環境省と同省水管理・国土保全局の参加を否定。 | |
11月11日 | 川勝県知事は、JR東海の示す環境保全措置に対する国土交通省としての見解を、同省が県に文書で送付すると連絡してきたことを明らかにした。 | |
11月12日 | 国土交通省は、前日の川勝県知事の発言について、文書を見解を送付するとは決まっていないとの認識を示した。 | |
11月13日 | 国土交通省の江口秀二技術審議官は菊川市と川根本町を訪問。川根本町の鈴木敏夫町長は、水資源だけでなく自然環境全体の保全する必要性を訴え、菊川市の太田順一市長は環境省や農林水産省の協議参加を要望。 | |
同日 | JR東海の金子慎社長は、地元理解を深めるためとして、大井川流域11市町を訪問したいとの意向を示す。これについて、静岡市を除く10市町は個別対応しないという意向であると後日報道される(11月19日静岡新聞)。 | |
11月15日 | 国土交通省の江口秀二技術審議官は吉田町、御前崎市、牧之原市を訪問。3首長からは流量減少についての強い懸念が伝えられる。また、江口審議官は静岡市を訪問し静岡市の田辺市長とも会談。 | |
11月19日 | 川勝知事は定例記者会見で、国交省鉄道局の態度は三者協議の仕切り役にふさわしくないとの見解を示す。 | |
11月20日 | JR東海の金子慎社長は定例記者会見で、大井川流域10市町に個別面会を求めたが断られたことを表明。静岡市については、市側が判断を保留したかたち。 | |
11月22日 | 神奈川県駅建設工事の起工式が行なわれる。 | |
同日 | 国土交通省の江口秀二技術審議官は袋井市を訪問。袋井市の原田英之市長はJR東海の姿勢について不快感を示す。 | |
11月28日 | 静岡県の難波喬司副知事、JR東海の宇野護副社長および国土交通省の職員ら20人が大井川源流部の西俣を視察。 | |
11月29日 | 三島市で柿田川の環境保全に取り組む市民グループなど4団体が、川勝知事に対し、大井川の環境保全を求める要望書を提出。 | |
12月3日 | 掛川市にて、市主催の「掛川の水について考えるシンポジウム」が開かれる。リニア建設工事に伴う大井川への影響をテーマとしたもので、市民ら約500名が出席。難波喬司副知事は基調講演で、トンネル湧水は県民共有の財産であると強調。 | |
同日 | 川勝知事は定例記者会見で、国土交通省が2014年に、工事に大井川に流量減少が生じた場合、JR東海に施工停止を命令できるとの見解を示したと指摘。 | |
12月4日 | JR東海は林道東俣線の改良工事に着手。畑薙第一ダム付近の路面舗装などから取り掛かった。 | |
12月10日 | 国土交通省はJR東海幹部と成田国際空港株式会社(NAA)幹部を招き、勉強会を開催。NAAによる地域対策を、静岡県におけるリニア建設工事に活かす目的。 | |
12月11日 | 北品川非常口が完成。 | |
12月12日 | 長野県南木曽町は、JR東海と協定書を締結。 | 南木曽町 |
同日 | リニア山梨県駅の位置について山梨県は、既に国が認可していた甲府市大津町が妥当とする方針を固めたと報じられる。同年2月に就任した長崎幸太郎知事が再検討を行なわせたもの。 | 日本経済新聞 |