「行政手続法の施行に伴う河川法等における処分の審査基準の策定等について」
南アルプストンネル工事(静岡工区)にかかわると思われる項目を抜粋
下線部が問題になりそうな箇所
赤く記した記述
はブログ作者による注釈
平成6年9月30日建河政発52 |
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一 本通達の位置づけについて 本通達は、本法の施行に伴い必要となる、建設大臣が処分庁となる場合の審査基準を定めるものであるとともに、法律を所管する立場から、地方支分部局の長又は地方公共団体の長が処分庁となる場合の審査基準等の策定の指針となるべき準則を示したものであること。 したがって、各処分庁は、基本的には本通達をもって自らの審査基準等として取扱うこととし、処分を行う地域の特性などに応じて必要な場合には、法令及び本通達の趣旨を逸脱しない範囲において本通達を補充する基準等を作成することも可能であること。 二 本通達の対象とする処分について 本通達は、河川局の所管する法令の規定による処分のうち、本法の規定により審査基準等を策定する必要のある処分をその対象とするものであること。 三 基準等の策定に当たっての留意点について 本通達においては、過去に処分例がないこと、処分の原因となる事実を個別の事案ごとに評価する必要があるため具体的な基準を画一的に定めることが困難であること等により基準等の設定が困難な処分を除き、定め得る基準等を定めたものであること。したがって、特に基準等が示されていない処分も存するが、そのような処分であっても、各処分庁において個別に基準等の策定が可能であるものについては、当該処分についても基準等を策定することは差しつかえないこと。 四 本通達又は本通達により策定された基準等の取扱いについて 本法は策定された基準等について、原則として、法令により申請等の提出されている機関の事務所における備付けその他適当な方法により公にしておかなければならないことを定めていることから、本通達又は本通達により策定された基準等については、少なくとも法令により申請等の提出先とされている機関の事務所等に備え付け、申請者等が閲覧できるように措置されたいこと。 五 申請に対する処分に係る審査基準及び標準処理期間について |
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1 河川法の規定による処分に係る審査基準及び標準処理期間について | ||||
河川法の規定による申請にあ対する処分を行うに当たっては、水系一貫管理の原則に従い、水系に係る河川における治水上及び利水上の行政の統一を確保するとともに、その公共用物としての性格にかんがみ、国民の生命及び財産を災害から防護すること、その適正な利用を促進すること、および流水の正常な機能を維持することを旨としておこなうものであること。 (後略) |
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(1) 省略 | ||||
(2)第二十三条(流水の占用の許可)の審査基準について 河川の流水の占用の許可並びにこれに関する法第二十四条、第二十六条第一項、第二十七条第一項、第五十五条第一項等の許可を行うに当たっては、以下の基準に該当するかどうかを審査したうえで許可を行うことができるものであること。 |
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@ 水利使用の目的及び事業内容が、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与し、公共の福祉の増進に資するものであること。 | ||||
A 申請者の事業計画が妥当であるとともに、関係法令の許可、申請者の当該事業を遂行するための能力及び信用など、水利使用の実行の確実性が確保されていること。 | ||||
B 河川の流況等に照らし、河川の適性な利用及び流水の正常な機能の維持に支障を与えることなく安定的に当該水利使用の許可に係る取水を行えるものであること。 | ||||
C 流水の占用のためのダム、堰、水文等の工作物の新築等が法第二十六条第一項(工作物の新築等の許可)の審査基準を満たしているなど、当該水利使用により治水上その他の公益上の支障を生じるおそれがないこと。 | ||||
(3)第24条(土地の占用の許可)の審査基準について
河川区域における土地の占用の許可を行うにあたっては、「河川敷地の占用許可について(平成11年8月5日付建設省河発第67号建設省事務次官通達)により審査したうえで許可を行うことができるものであること。 |
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(4)第25条(土石等の採取の許可)の審査基準について 河川区域における土石等の採取の許可を行うに当たっては、以下の基準に該当するかどうかを審査したうえで許可することができるものであること。 |
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@ 河川管理施設若しくは許可工作物を損傷し、又は河川の流水に著しい汚濁を生じさせるなど、河川管理上著しい支障が生じるものではないこと。 | ||||
A 申請者の事業計画が妥当であるとともに、当該土石等の採取を行うことについての関係法令の許可、申請者の事業を遂行するための能力及び信用など、事業の実施の確実性が確保されていること。 | ||||
B 砂利等の採取については、「砂利等採取許可準則」(昭和41年6月1日建設事務次官通達)によること。 | ||||
C 竹木、あし、かや、埋もれ木、笹、じゅん菜その他の産出物については、その採取にかかる地域の慣行や、慣行に基づく権利性の度合いを考慮すること。 | ||||
(5)第26条第1項(工作物の新築等の許可)の審査基準について 河川区域における工作物の新築等の許可を行うに当たっては、以下の基準に該当するかどうかを審査したうえで承認することができるものであること。 ⇒河川区域と交差するトンネルの建設 |
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@ 治水上又は利水上の支障を生じるおそれがないこと。 この場合において、治水上又は利水上の支障の有無を検討するに当たっては、以下に掲げる事項について、それぞれ次に定める基準により、水位、流量、地形、地質その他の河川の状況及び自重、水圧その他の予想される荷重などから総合的に検討すること。 |
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イ 工作物の一般的な技術基準について、「河川管理施設等構造令」(昭和51年政令第199号) ロ 設置について「工作物設置許可基準」 ハ 土木工学上の安定計算等について「河川砂防技術基準」 |
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A 社会経済上必要やむを得ないと認められるものであること。 | ||||
B 当該河川の利用の実態からみて、当該工作物の設置により他の河川使用者の河川の使用を著しく阻害しないこと。 | ||||
C 当該工作物の新築等を行うことについての権原の取得又はその見込み、関係法令の許可、申請者の事業を遂行するための能力及び信用など、事業の実施の確実性が確保されていること。 | ||||
(6)第27条第1項(土地掘削等の許可)の審査基準について 河川区域における土地の掘削等の許可を行うに当たっては、以下の基準に該当するかどうかを審査したうえで許可することができるものであること。 ⇒発生土置き場での巨大盛土工事 |
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@ 当該掘削等に係る行為により生じる河川の流水の方向、流速等の変化により、河川管理施設若しくは許可工作物を損傷するおそれや、河川の流水に著しい汚濁を生じさせ、他の河川使用者の河川の使用を著しく阻害するなど、河川管理上著しい支障を生じるものではないこと。 | ||||
A 当該土地の掘削等を行うことについての権原の取得又はその見込み、関係法令の許可、申請者の事業を遂行するための能力及び信用など、事業の実施の確実性が確保されていること。 ⇒盛土の大部分は民有林であり、森林法に基づく林地開発許可が必要となる。工事車両の林道通行には静岡市条例に基づく許可が必要。 |
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(7) 省略 | ||||
(8) 第29条第1項(河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止、制限又は許可)の審査基準について 第29条第1項の規定に基づく河川法施行令(昭和40年政令第14号)第16条の8第1項の河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の許可を行うに当たっては、以下の基準に該当するかどうかを審査したうえで許可することができるものであること。 |
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@ 河川区域内の土地において土、汚物、染料その他の河川の流水を汚濁するおそれのあるものが付着した物件を洗浄する場合 | ||||
イ 人体や生物に有害であると認められるものでないこと。 ロ 流水を著しく汚濁するおそれがないものであること。 |
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A 河川区域内の土地において土石、竹木その他の物件を堆積し又は設置する場合 | ||||
イ 相当程度の期間継続して堆積若しくは設置するものでないこと。 | ||||
ロ 残土等の一時的な仮置きについては、土石、竹木その他の物件を、河川工事又は河川区域内に他の行為によってやむを得ず一時的に仮置きする場合において、出水への対応措置が講じられていること。 | ||||
(中略) |
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(14) 河川法の規定による処分に係る標準処理期間について 標準処理期間については、各処分の性格、処分を行うまでに経ることを要する手続の相違等に応じ、それぞれ以下のような期間とすること。 |
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@ 水利使用に関する処分に係る標準処理期間 水利使用に関する処分に係る標準処理期間については、建設大臣が行うものになっては10ヶ月とし、各理法建設局長が行うものにあっては5ヶ月を目安とすること。 なお、これらの標準処理期間は、あくまで通常の水利使用の態様における処理を前提とした場合の目安であり、多数の危篤の水利使用の太陽を把握する必要のある案件や、大規模な工作物の新築等を伴うことにより当該工作物についての治水上の安全性を特に精査する必要のある案件、発電水利使用に係る許可の更新で新たに河川維持流量に関する定めを行う必要のある案件等特に慎重かつ精緻な審査を要する案件については、この限りではないこと。 |
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A @以外の処分に係る標準処理期間 | ||||
イ 地方建設局長が処分権限を有する処分(水利使用の許可に係るものを除く。)に係る標準処理期間は、概ね3ヶ月を目安にすること。 | ||||
ロ 上記イに該当する処分のうち、治水上又は利水上与える影響が著しいことなどにより建設大臣又は河川局長の承認等を要することとされているものに係る標準処理期間は、おおむね4ヶ月を目安とすること。 | ||||
B 都道府県知事又は市町村長が行う処分に係る標準処理期間 都道府県知事又は市町村長が行う処分に係る標準処理期間についても、上記@及びAの機関を目安に、各処分の性格、処分を行うまでに経ることを要する手続きの相違等を勘案して設定すること。 |
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(以下 省略) | ||||
また、合わせて次の通達も参照していただきたい。 「行政手続法の施行に伴う河川法等における処分の運用等について」 南アルプストンネル工事(静岡工区)にかかわると思われる項目を抜粋 |
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平成6年9月30日建設省河政発53 建設省河治発73 |
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各地方建設局河川部長 北海道開発局建設部長 沖縄総合事務局建設部長 各都道府県土木主管部長 あて |
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建設省河川局水政課長 建設省河川局治水課長 建設省河川局開発課長 建設省河川局砂防部砂防課長 通達 |
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行政手続法(平成5年法律第88号。以下「本法」という。)の施行及びその施行に伴う河川法等における処分基準の策定等については、行政手続法の施行に伴う河川法等における処分の審査基準の策定等について(平成6年9月30日建設省河政発第52号各地方建設局長、北海道開発局長、沖縄総合事務局長及び各都道府県知事あて河川局長通達。以下単に「居長通達」という。)により通達したところであるが、局長通達所掲の法令及び河川局所管の他の法令の運用に当たっては、以下の事項に留意し、遺憾のないようにされたい。 なお、速やかに関係事項を貴管下市町村長に周知方取り計らわれたい。 |
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記 | ||||
一 局長通達における審査基準及び標準処理期間に関する運用について | ||||
1 河川法の規定による処分に係る審査基準及び標準処理期間に関する運用について | ||||
(1) (省略) (2) (省略) (3) 第26条第1項(工作物の新築等の許可)関係 局長通達五1(5)の審査に当たっては、以下に掲げる行為の形態に応じ、それぞれ次の事項に留意すること。 |
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(1) 河川区域内の土地における工作物の除却について 工作物が設置される以前の河道の状態に復元することを原則とする。除却により河川管理上の支障を生ずるおそれがある場合には、当該支障を少なくするための措置を合わせて行うこととする。 (2) (省略) |
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(4) 第27条第1項(土地の掘削等の許可)関係 局長通達五1(6)@の運用に当たっては、以下に掲げる行為の形態に応じ、それぞれ次の事項に留意すること。 |
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(1) 掘削及び切土 | ||||
@ 掘削又は切土による断面が、河川の計画断面を侵すものではないこと。 | ||||
A 掘削又は切土による断面が、河川管理施設等の保全上必要な一定の距離が確保されていること。 | ||||
B 虚部的な箇所において実施する場合は、当該箇所において流水の乱れを生じないよう施行すること。 | ||||
(2) 盛土⇒発生土置き場での巨大盛土工事。3項目ともおおいに疑問がある。 | ||||
@ 上下流を含む盛土の行われる箇所における流下能力の低下をもたらさないこと。 | ||||
A 当該盛土により流速の乱れを生ずるものではないこと。 | ||||
B 盛土後の河川の形状の変化により流速の変化を起こすものではないこと。 | ||||
(3) 竹木の栽植 竹木の栽植を許可するに当たっては、「河岸等の植樹基準(案)(昭和58年12月1日建設省河川局部長通達)及び河川局治水課作成に係る「河道内の樹木の伐採・植樹のためのガイドライン(案)(平成5年11月10日)によるものとすること。 |
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(4) 竹木の伐採 竹木の伐採を許可するに当たっては、「河川法施行令の一部を改正する政令の施行について(平成6年7月8日建設省河川局長通達)及び「河川法施行令の一部を改正する政令の運用について」(平成6年7月8日建設省河川局水政課長、治水課長通達)によるものとすること。 |
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(5) (省略) | ||||
(6) (省略) | ||||
(以下 省略) | ||||